【2020年】銀行業界の課題と銀行員の展望(後編)

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こんにちは、Gekkoです。

前回は、銀行業界の課題について書きました。

少し厳しい内容となってしまいましたが、現実をしっかりと直視し、大局観をつかんだうえで、行動計画を策定する必要があります。

以下にリンクを貼りましたので、まだ読まれていない方は前編からお読みください。

【2020年】銀行業界の課題と銀行員の展望(前編)

現役銀行員「銀行業界が「斜陽業界」ということが、嫌と言うくらい分かりました。確かに最近、転職する同期が増えてきました。今後、私はどうしたら良いですか?」

私のところにも、転職の相談が多く来ています。

業界に残ることの不安が大きいようです。

さて今回は、銀行員個人にフォーカスして、以下について書きます。

本記事(後編)の内容

1. 銀行員が抱える3つの課題

  ・スキル・経験 | 思っているほど自分の「市場価値」は高くない

  ・時間 | 個人の成長には関係のない時間が多い

  ・マインド | 新しいことへの挑戦を嫌う文化

2. 今すぐに取るべき行動


1. 銀行員が抱える3つの課題

  • スキル、経験 | 思っているほど自分の「市場価値」は高くない

これは私自身がそうだったのですが、自分自身の市場価値を実際よりもかなり高く見ている人が非常に多いと思います。

例えば少し違うものに置き換えて考えてみましょう。

  • A君はメルカリでPCを出品。

  • 状態は悪くないので、きっとすぐに売れるだろうと思っていた。

  • しかし、待てど暮らせど誰も買い手がつかない。

  • 買い手が付かないのは、買い手が価値をわかっていないからだとA君は結論付ける。

買い手が付かなかった理由ですが、「10年落ちの中古を、購入価格50万円の70%、35万円で値付けしていたからです。

確かに、当時最新のWindows7が搭載され、スペックも当時最高クラスのものだったのでしょう。状態も良いのかもしれません。

しかし、Windows7は現在サポート終了しており、またそのスペックも今ではスマホにさえ負けています。

このように、値付けを間違えると、市場から見放されてしまいます。

さらにこの例でA君は、買い手が付かないことを他人のせいにしています。これでは、いつまでたっても売ることができません。


さて本題に話を戻しますと、

銀行員の市場価値はどれくらいなのでしょうか。

現役銀行員「自慢ではないですが、いわゆる「良い大学」を卒業し、銀行内でも良い位置(部署、役職)にいます。なので、自分の市場価値は結構高いと思うのですが」

私の場合、質問者の方のように輝かしいキャリアはありませんでしたが、それでも質問者の方と同じように自分の市場価値は結構高いと思ってました。

しかし、これは完全に危険な考えでした。

ところで、人の市場価値とは何なのでしょうか。

これは色々な考え方、見方があるので一概に言うことは出来ません。

ここでは、少し乱暴かもしれませんが、

人の市場価値を「転職市場においてどれだけ需要があるか(もっと具体的に言うとするならば、年収いくらで転職ができるか)」と定義しましょう。

では、銀行員は転職すると年収はいくらになるのでしょうか。

答えはもちろん人によって違うので、一概には言えません。

ただし、一つだけ言えることは、

銀行での勤続年数が長ければ長いほど、

自分が考える価値と市場価値に大きく乖離が生じる傾向にあるということです。

私なりの見解にはなりますが、

その要因は銀行で求められるものと、銀行以外の業界で求められるものに大きな差があるからだと思います。

多くの銀行員が大事にしているもの、それは「人事」です。

人事評価を最大化させることが、多くの銀行員の最大目標であり、

その目標を達成するために、業務における実績、資格の取得などに日々励んでいるのだと思います。

そうなると、人事評価を最大化させるための行動が最重要となりますが、その行動の中には、銀行の中でしか通用しないものも多く、転職後に全く役に立たないものも多いと感じます。

例えば私の例で言いますと、

・誰がどこの大学卒で、年次は何年入行で、どこに異動したか等の人事情報

・銀行内の業務試験

・業務通達、手続の暗記

このようなものは、外に出ると全く武器になりません。

上記はあくまで、銀行で生きていくための武器であって、外部では全く通用しないといことを肝に銘じたほうが良いです。

どういうスキル・経験が必要なのかについては、最後に記載します。

  • 時間 | 個人の成長には関係のない時間が多い

銀行員に限らず、いわゆる「社畜」に共通していると思われる項目をまとめました。

  • 毎日、朝決まった時間に出社しないといけない(朝に予定が無かったとしても)
  • 上司に対する忖度、顔色伺いが必須(ロジ)
  • 上司が帰るまで帰り辛い
  • 無駄な会議が多い(○○会議、朝礼、体操)
  • よくわからない役職(中間管理職)が多い(副支店長、管理役、推進役など)
  • メール1つで済むことを、いちいち直接言わないといけない
  • 「人事」がすべて

いくつ当てはまりましたでしょうか。

私は、上記項目が本当に嫌でした。

全員が同じ時刻に出社する必要が本当にあるのでしょうか? 

朝ミーティングがある人もいれば、深夜に海外とテレカンがある人もいます。

全員、同じ時間に来る必要も、同じ時間に帰る必要もありません。

また、上司(支店長など)に対する無駄な気遣いも嫌でした。

ロジという、上司が訪問する際の行動予定表作成、宿泊場所予約、出張先の観光地検索など。

旅行会社の添乗員になった気分でした(夜のお店まで調べたりしました)

すべては「人事」のため。

中間管理職がやたらと多いので、意思決定スピードは非常に遅いし、

そもそも、それを判断できるスキルが無いと思われる中間管理職が

ああでもない、こうでもないと悩んで、なかなか決裁者に申請しないケースも多かったです。

このようなことに時間をかけることは、全くの無駄です。

もし転職するのであれば、今後の人生において全く役に立たない時間です。

まだ寝ていたほうが、良いくらいです。

  • マインド | 新しいことへの挑戦を嫌う文化

転職を考えたこともありますが、妻と子供もいるのでリスクが取れません。

まさに私もそうでした。

転職を考えて、結局実行したのは5年後。

今から考えると、転職を考えたその時にしておけば、さらに人生は変わったなと強く後悔しています。

多くの人が、「転職はリスク」と言いますが

私はそう思いません。

むしろ、「転職しないで残るほうがリスク」と言いたいです。

皆さんの上司で、会社を引退した人は、その後どういう人生を歩んでいますか?

取引先や関連会社への出向が大半かと思います。

その方たちを見て、どう思いますか?

ワクワクしますか?

私は、夢も希望も全く感じませんでした。

簿記すらできないのに経理部長として取引先に行き、

プロパー社員からできない上司と思われるのが関の山です。

そうならないように、私はどこででも重宝されるスキルと経験を身につけ、

早く外に出たいと考え、転職しました。

銀行は特に予定調和を好み、新しいことを嫌う文化です。

なので、イノベーティブな思考がどうしてもできなくなります。

長くいると、その思考法から脱却できなくなるので、

そういう意味でも早く外に出ることをお勧めします。

2. 今すぐに取るべき行動

この記事を読んでいただいているということは、何かしら不安があり、モヤモヤしているのかと思います。

そのような方には、「早く行動してください」とお伝えしています。

スキル・経験を積んでから転職する、という方もいますが、

そのスキル・経験を積むのに3か月以上かかるのであれば、

それは転職後(あるいは同時並行)に行うことにしましょう。

なぜなら、そのスキル・経験を習得することが目的になってしまい、

本来の目的を見失ってしまいがちになるからです。

私は、1回目の転職活動時から英語とファイナンスを学び、2回目の転職時までには、目標としていたスキル・経験を積むことができました。

ちなみにですが、現在の年収は、もし仮に銀行員に残っていたら絶対に得られていない水準です。

そして、出勤時間、帰る時間も自由ですし、今はコロナの関係で完全にテレワークをしています。

上司に忖度する必要はなく、思ったことをはっきりと意見しています。なぜなら、人事よりもパフォーマンスがすべてだからです。

仮に今の会社がクビになったとしても、それなりの年収で同業に転職することは十分可能です。

くどいようですが、もっと早くに転職しておけばよかったと強く後悔しています。

きっと年収は今の倍以上になっていたと思います。

わたしが一つだけ言えるのは、

「モヤモヤして考えているなら、早く行動しよう!」


転職をしたいと思ったら、早期の行動が必要です。 

転職の方法については、以下記事をご参照ください。

【脱社畜】銀行員の失敗しない転職方法+人材紹介会社の裏(闇)