【2020年】銀行業界の課題と銀行員の展望(前編)

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現役銀行員「銀行業界で働いていることが不安です。この先、大丈夫でしょうか?」

現役銀行員「コロナは怖いけど、会社を休むことはできない。社会的に重要な仕事であることは十分理解してるが、自分の人生を考えたときに果たして本当に一生かけてやる仕事なのかがわからなくなった。」

最近、私のところに銀行時代の後輩や元同僚からこのような相談がよく来ます。

そして、相談内容のほとんどが同じような内容で、一言で表すと「銀行業界で働き続けることに対する不安」についてです。

銀行を離れてかなり時間は経ちますが、当時一緒に働いたメンバーや同期とは今もつながっています。なので、相談を受けることはこれまでもありました。

しかし、最近、相談件数が激増しています。

今回は、こういった相談を踏まえて、2回に分けて書いていきます。

本記事(前編)の内容

銀行業界が抱える3つの課題

  ・人口減少、少子高齢化

  ・マイナス金利

  ・生産性


銀行業界が抱える3つの課題

  • 人口減少、少子高齢化

日本は、今後間違いなく人口が大幅減少します。

いわゆる「人口オーナス期」(少子高齢化が進み、人口構成上、生産年齢人口(15歳以上65歳未満)に対するそれ以外の従属人口(年少人口と老年人口の合計)の割合が高まる時期)だからです。

出所:総務省HP

人口と経済の問題は、またどこかで詳しく記載しようとは思いますが、ざっくり書くと、

人口が減ることで、国内の需要が減る

→ 国内マーケットで営業してきた企業の成長率が下がる

→ 設備投資といった、企業が成長のために投資が減る

→ 設備投資に対する融資が減る (資金繰を支えるための融資は増えると思いますが)

→ 銀行の収益が下がる

といった図式になるかと思います。

この傾向は、地方だとさらに顕著です。

  • マイナス金利

利ざやがほとんどないので、いくら融資残高を増やしても収益は増えません。

これまでは債券運用や海外部門で稼いできましたが、今はどちらも厳しい状況です。

銀行の本業はビジネスモデルが成り立たなくなってきているので、最近では異業種に参入しているケースも目立ちます。ただし、そのような異業種経営ができる人材が本当に存在しているのかは疑問です。

  • 生産性

上記の通り、銀行が置かれている環境は非常に厳しいです。

そうなると、売上が伸びないのであれば、次に考えられるのは費用削減です。

 <東証>三菱UFJが小動き 人員削減8000人に上積み」(2020年4月27日経電子版)

現在、コロナの影響で、銀行によってはローテーションで休みを取っている部署もあるようです。

おそらくコロナが落ち着いた後に出てくる話として、「少ない人員でもなんとかやれる」「AI化を進めて、人が行う業務を減らそう」という議論が出てきます。

その結果、過剰なほど存在する支店が減る一方、IT業界からITのスペシャリストが流れてくることとなり、今まで頑張って目指してきた「出世ルート」というものが根本的に無くなり、完全に新しいものにシフトされるはずです。

現役銀行員「うぅ、、、なんとなくは感じていたけど、具体的に言われるとグサっと来る。でも現実から目を背けてはダメだね。では、いま銀行員をしている人は将来が無いということ?」

いえ、決してそのようなことはありませんし、批判・批評しているわけでもありません。

しかし、当時の私もそうであったように、見たくない現実に直視することで、新たな道が拓かれるのだと思います。

学歴もなく、特殊スキルも持っていなかった私でも、今では社畜状態から卒業できましたので、誰でも脱社畜出来ると思います。そのあたりのことを後編に書きたいと思います。

転職の方法については、以下記事をご参照ください。

【脱社畜】銀行員の失敗しない転職方法+人材紹介会社の裏(闇)